サウンド&レコーディング・マガジン(サンレコ) 2013年10月号が発売されます。
発売日は2013年9月14日、価格は980円となっています。
内 容
触れるままに音とイメージが反応する~iPad用シンセサイザー・アプリの快楽
■巻頭レポート
ビョーク“Biophilia Tokyo”
カスタム・メイドの楽器で埋め尽くされたステージの撮影に成功!
日本科学未来館での単独公演を徹底レポート
ビョークが2011年に発表した『Biophilia』は優れたスタジオ・アルバムというだけでなく、アプリ、Webサイト、シンギング・テスラコイルやグラビティ・ハープといったカスタム・メイドの楽器、教育的なワークショップなどから構成される一大マルチメディア・プロジェクトだ。そうした多様な要素~『Biophilia』の世界観をダイレクトに感じられる場としてのライブ・パフォーマンスもプロジェクトにおいて重要な位置を占めており、2011年7月のマンチェスターからレイキャビク、ニューヨーク、ブエノスアイレス、パリ、サンフランシスコ、ロサンゼルスを巡り、世界中のリスナーにインスピレーションを与えてきた。そしてアジアで唯一、ツアー8カ所めの場として選ばれたのが東京。会場となった日本科学未来館は“自然とテクノロジーの融合”という『Biophilia』のコンセプトに沿って選択されたという。3日にわたり開催された公演はいずれも800名の定員制で、まさにプレミアムなライブ体験の場となったが、今回本誌はステージ機材の撮影とFOHを担当したエンジニア=デヴィッド・ブレイシー氏の独占取材に成功。多数の写真とともに、エレクトロニクスとヒューマニティが有機的に絡み合った『Biophilia』ライブをひもといていく。
■特集
触れるままに音とイメージが反応する
iPad用シンセサイザー・アプリの快楽
2010年の発表時、マルチタッチ・スクリーン・インターフェースや取り回しの良いサイズで楽器/コントローラーとして大いなる可能性を感じさせたAPPLE iPad。2013年7月現在でアプリ数は80万を超え、本格的な音楽制作に使えるものも続々登場してきている。中でも特に活気があるのがシンセサイザー・アプリで、ARTURIA、KORG、MOOGといった著名メーカーから、ウェーブテーブルの発明者であるウォルフガング・パーム氏など個人が開発したものまで多種多様。いずれもユニークなインターフェースを備え、まさに百花繚乱(りょうらん)の様相を呈している。本誌ではこれまでも幾度かiPad関連の特集を組んできたが、今回はサンレコiPad版のリリースに合わせ、iPad用のシンセサイザー・アプリの特集を敢行する。本格的な音楽制作に使えるアプリ10本をレビューするとともに、第一線で活躍するクリエイターがそのアプリを使って制作した音源を公開。さらにはiPadに対応するオーディオ・インターフェースや、iPadアプリ間でオーディオ/MIDI信号をやりとりする最新のiOSテクノロジーについても紹介している。オーディオ/ビジュアルの両面からiPadシンセサイザー・アプリの実力を感じていただきたい。
■特別インタビュー~ウォルフガング・パーム
■iPad対応オーディオ・インターフェース
■アプリ間のオーディオ/MIDIのやり取りを実現する新規格/アプリ
■iPad用シンセサイザー・アプリの実力
◎WOLFGANG PALM WaveGenerator
◎MOOG Animoog
◎KORG iMS-20
◎ARTURIA iMini
◎WALDORF Nave
■iPad用シンセサイザー・アプリのさらなる世界
◎DEVELOE Soundrop
◎OPAL Trope
◎WOLFGANG PALM WaveMapper
◎REACTABLE SYSTEMS Reacable Mobile
◎SHAPE OF SOUND Sketch Synth 2
■特別企画
コンプが上達する1週間トレーニング
非常に繊細なコントロール・テクニックが求められるエフェクト、コンプレッサー。本誌でも何度かコンプ入門特集を企画してきたが、パラメーターの複雑さ故に最初の段階でつまづいてしまうケースも多いようだ。そこで今回は、“今度こそコンプの使い方を覚えていただこう!”というテーマの下、7日間のトレーニング・コースを用意した。ページ数は多めだが、1日1テーマをゆっくりとクリアしていけば1週間でコンプの基礎が学べる作りになっている。豊富な音例も用意してあるので、これを機にぜひともコンプの使い方をマスターしてほしい。
■Cross Talk 美濃隆章× 星野誠
作業環境を劇的に向上させる
モニター・コントローラー
コンピューターやCDプレーヤー、マスター・レコーダーといった複数のソースを入力/選択し、スピーカーやラジカセ、ヘッドフォンといった複数の出力を切り替えて比較試聴できるモニター・コントローラー。PRESONUS Ce
ntral StationやMACKIE. Big Knobが切り開いたこの市場だが、ここへ来て新勢力が登場している。今回はCRANE SONG Avocet、GRACE DESIGN M905、DANGEROUS MUSICのMonitor STとSourceの4機種をフィーチャーし、新たなモニター・コントローラーを導入検討中の美濃隆章と、これまでのキャリアの中でさまざまなモデルに触れてきた星野誠の2人のエンジニアにチェックしてもらい、各機の特徴を探ってみた。
≪Gears of This Month≫
◎CRANE SONG Avocet
◎GRACE DESIGN M905
◎DANGEROUS MUSIC Monitor ST
◎DANGEROUS MUSIC Source
■コンサート見聞録
アントニオ・ロウレイロ@ヘリオス
~フェスティバル<SUKIYAKI MEETS THE WORLD>
ブラジルはミナス・ジェライス州のシンガー・ソングライター/マルチ奏者、アントニオ・ロウレイロ。ブラジリアン・ポップスが持つ洗練された色合いとクラシック音楽を思わせる和声、そしてジャズにも通じる複雑なリズム・ワークを兼ね備えた独特の音楽性を持ち、2010年の『Antonio Loureiro』、2012年の『ソー』という2枚のアルバムが日本でも高い評価を受けている。そんなロウレイロが、フェスティバル“SUKIYAKI MEETS THE WORLD”で初来日。ここでは、その模様をサウンドという切り口から徹底的にレポートしていく。
■ミックス解剖学
ロビン・シック「ブラード・ラインズ~今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪ feat. T.I.&ファレル」
by トニー・マセラティ
海外のトップ・エンジニアに、自身の手掛けたヒット曲のミックス手法を直接解説してもらう本連載。今回登場していただくのはトニー・マセラティ。マセラティは、ニューヨークのシグマ・サウンド・スタジオでキャリアをスタートして以来、手掛けた曲は累計で1億枚を超えるセールスを記録し、グラミー受賞と多数のノミネーションを受けるに至っている。今回取り上げるロビン・シックとは、5thアルバム『LoveAfter War』(2011年発売)で全曲のミックスを担当。そして6th『ブラード・ラインズ』では14曲を手掛けており、その中には2013年の夏最大のヒット曲「ブラード・ラインズ~今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪ feat. T.I. & ファレル」も含まれている。「ブラード・ラインズ~」はファレル・ウィリアムスのプロデュースの元、制作されており、偶然にもファレルが参加したダフト・パンクの「ゲット・ラッキー」を退けてのヒットだった。「ブラード・ラインズ~」の中毒性のあるシルクのように艶やかなサウンドの影には、マセラティの存在がある。今回マセラティは、自身がロサンゼルスに所有するプライベート・スタジオ、ミラーボールから本曲についてのエンジニアリングについて語ってくれた。
■Classic Tracks
ザ・クラッシュ
「白い暴動」
1977年3月26日にリリースされた三人組(当時)パンク・バンド、ザ・クラッシュのデビュー・シングル『白い暴動』。ロンドン西部のノッティングヒルで開催された“ノッティングヒル・カーニバル”で起きた暴動を目撃した、フロントマンであるジョー・ストラマーによって作られた。労働者階級に属する白人の若者たちも黒人の若者たちと同じように国の抑圧的な政策に対して不満を募らせていることを察知したストラマーは、怒りの声を上げた白人の若者たちを代弁したのだ。瞬く間にマスコミでも大きく取り上げられる話題作となり、コンサートでも最も盛り上がる曲の一つとなった。この曲は、ブリティッシュ・パンク・ムーブメントの追い風を受けて1977年にCBSとレコード契約をしたザ・クラッシュが、CBSホイットフィールド・ストリート・スタジオにて初めてレコーディングをしたもの。エンジニアには、当時“ジュニア”・エンジニアとしてスタジオに常駐していたサイモン・ハンフリーが務めた。その制作の過程をハンフリーの言葉から振り返っていこう。
■Beat Makers Laboratory:マックス・ローダーバウアー
■people
◎ナイン・インチ・ネイルズ
◎奥田民生
◎立花ハジメ
◎Hair Stylistics
◎ア・ガイ・コールド・ジェラルド
◎中田ヤスタカ(CAPSULE) × J.J.エイブラムス
■report
◎吉田保ミックス・ダウン・セミナー開講のお知らせ
◎新連載・behind the scene~映像を音で彩る作曲家たち~川井憲次
◎My Favorite UAD-2 Plug-Ins~森元浩二.
◎YAMAHA HSシリーズ
◎ORB J10-XLR Pro
◎EVE AUDIO SC305~村田智宏
◎ライブ・スペース・レポート:O-EAST
■new products
◎AVID S3L
◎ALLEN&HEATH QU-16
◎STEINBERG Halion 5
◎STUDIO ELECTRONICS Boomstar 5089 / 4075 / SEM / 3003
◎PROJECT SAM Lumina
◎AKAI PROFESSIONAL MPX8
◎ESI Unik 08
◎SENNHEISER HD25 Aluminium
◎MICW I436 / I266
◎DYNACORD Vertical Array Series
◎DBX PMC16
■LIBRARY
◎SAMPLE PHONICS Future Garage & Deep Techno by Ghostek
◎BIG FISH AUDIO SHOUT
■DAW AVENUE
◎STEINBERG Cubase 7
◎ABLETON Live 9
◎APPLE Logic Pro X
◎AVID Pro Tools 11
◎CAKEWALK Sonar X2
◎PRESONUS Studio One 2
■seminars
◎Max 6で作る自分専用パッチ 蓮沼執太
◎Science Of The Beat SUI
■column
◎新連載・ツナガル ロクオン 草間敬
◎skmt 2013 to 2014 坂本龍一
◎MUSIC SAFETY RESEARCH 奥田泰次
◎DE DE MOUSEのさっき何話してたっけ?
◎oscillator lover yukihiro
◎THE CHOICE IS YOURS 原雅明
◎そこのにいさん どこ向いてんのよ 戸田誠司
◎素晴らしきビンテージの世界 三好敏彦
◎祐天寺浩美のお部屋一刀両断
◎Independent Cities
■sound&recording review
◎ENGINEERS’ RECOMMEND
◎RE-ISSUE
◎BOOKS